特別史跡 登呂遺跡|静岡県 静岡市

特別史跡 登呂遺跡|静岡県 静岡市

登呂遺跡は、約2000年前の弥生時代後期の遺跡。
第二次世界大戦中に軍需工場建設の際に発見され、戦後に発掘作業が開始。戦前の皇国史観の教育が大戦を機に根底から見直されたタイミングで発見された登呂遺跡には、自分達のルーツを改めて確認できる貴重な機会として、全国から大変な注目が集まりました。

日本で初めて弥生時代の水田跡の遺構が確認され、大量の土器・木製品などの出土品とともに、住居跡・倉庫跡などの居住域と水田域が一体で確認。弥生時代の標準的な村の形として認識され、以降見つかる古代遺跡の教科書ともいえる遺跡となりました。

また発掘調査は考古学者だけでなく、地理学、動植物学、建築学などの各分野の専門家が参加。大規模な発掘作業には多くの学生や市民が参加し、「近代的で開放的な発掘調査」の手法がとられました。

この発掘をきっかけに日本考古学協会が発足され、戦後の日本考古学の出発点としても記念すべき遺跡です。

その歴史的価値が認められ、1952年に登呂遺跡は「特別史跡」に指定されました。